SNSの登場により、近年音楽アーティストとファンの協働や相互コミュニケーションが活性化しているが、その一方、SNSでのファンによる集中行動が引き起こす炎上や誹謗中傷など、アーティストへの身体的、精神的被害も増加しており、SNSでのアーティストとファンのコミュニケーションのあり方が模索されている。
本論は、アーティストの視座からSNSでのファンコミュニケーションを検討し、それがアーティストにどのような影響を与え、どのような実践を生みだしているのかについて、Twitterでのファンコミュニケーションを積極的に行い、それを自身の活動に活用する大森靖子のアーティスト実践を事例に分析にしたものである。