古都の町を支えてきた里山
『エコミュージアム研究』No.10
pp.75-82
京都近郊の里山は、京都の町への薪炭供給などのために長期にわたる過酷な林野の利用にさらされ、そこには貧弱なマツ林が広く見られ、草木のない禿山も所々に見られた。しかし、かつて京都近郊の里山というだけでは、とうてい古都の町を支えることはできず、燃料や木材を遠くは四国や九州、また信濃のあたりにまでも及んでいた。里山の歴史を正しく振り返りつつ、将来の里山の姿、人間との関わりなどを考えてゆく必要について述べたもの。