鳥取県伯耆町井後草里遺跡(Tr5)の微粒炭分析
日本第四紀学会
滋賀県立琵琶湖博物館
鳥取県の大山南西山麓にある井後草里遺跡(西伯郡伯耆町)の微粒炭分析によると、その地の黒色土にはススキなどのイネ科植物の特徴をよく示す微粒炭がほぼ全層に見られ、また九州の阿蘇など古くからの草原地帯において連続的に出現するタイプの微粒炭が全層的に多く見られることなどから、当該地付近は黒色土が形成されはじめた約6000年前より、野火の規制が強化される近代までの長期にわたり草原的な植生が長く続いていた可能性が高いと考えられる。