井後草里遺跡(Tr7;鳥取県西伯郡伯耆町)の微粒炭分析によると、地表に近い土層には針葉樹起源の可能性のある微粒炭が比較的多く含まれているが、深い土層では、それがあまり含まれていない。一方、割合としては少ないが、ススキなどのイネ科植物の特徴をよく示す微粒炭が断続的に出現していること、またススキなどの草本植物が燃えたときに生成されやすい微粒炭が全体的にやや多く出現することから、本調査地では樹木が比較的多い環境の時代も含め、地表には草本植物が少なからず存在する環境が長く続いていた可能性が高いと考えられる。