アクースモニウムは,電子音響音楽を上演する際に用いられる数十個のスピーカとミキシングコンソールにより構成される立体音響システムである.演奏者は,ミキシングコンソールのフェーダを操作(演奏)することにより,空間的な音楽表現を加えて聴衆に届ける.フェーダ操作,演奏の様子,立体音響の収録といった複数の要素を統合して記録するシステムを開発した.そのシステムにより,日本の著名なアクースモニウム演奏家15 名による84 の演奏を収録しデータベースを作成した.
アクースモニウム演奏記録システムについて述べ,そのシステムによる演奏記録の方法と演奏記録データベースの概要について
述べる.最後に,システムと著作権の問題点について考察し,これからの研究について述べる.