新しい民俗学へ
せりか書房
第7章「目と耳」、第24章「子ども」。日本民俗学のキー概念を現時点の批判と展望を踏まえて再定義した本。筆者は主に、民俗学の音声中心主義を克服するために、近代日本におけるメディア史の展開と感覚の変容について考察した。そこで、マクルーハンのメディアの概念を導入し、南方熊楠と柳田国男にみられる感受性と方法の相異から、柳田民俗学が音声言語へ傾斜した理由を探り、近現代における技術メディアの展開と感覚の変容を捉える視角を示した。