絵の<声>の聴き方
『文学』第5巻2号、岩波書店
紙芝居の調査研究に基づいた、筆者のメディア研究の決定版。紙芝居における「鬼太郎」物語のバリエーション、そして、紙芝居から貸本マンガへ移行する際に現れた複数の異本を比較し、マンガというコミュニケーションの前提を明らかにした。そこで、従来、<ことば>を専ら文字の発想でしか捉えてこなかった研究や、声と文字を二項対立で捉える音声中心主義を批判し、声と絵と文字の三角関係から記号やコミュニケーションをトータルに捉える方法を提示した。