https://imaonline.jp/news/exhibition/20200124/
小松敏宏個展「トポフィリア(場所愛)—ジャパニーズ・ハウス」が、西麻布・KANA KAWANISHI PHOTOGRAPHYで1月25日(土)より開催される。
本作「ジャパニーズ・ハウス」は、小松が拠点としてきた静岡、東京、滋賀、そして京都の家族と家屋をフォトモンタージュ/フォトコラージュし、類型学的に撮りためてきた作品。家と、その家に住まう家族をモデルに撮影し、住人の「顔」部分に彼らの居住する「家」をフォトモンタージュ/フォトコラージュした作品群は、アウグスト・ザンダーのポートレイトや、ベルント&ヒラ・ベッヒャー夫妻の給水塔シリーズに代表されるタイポロジー・フォトグラフィーが意識されており、同じ種類の対象を被写体とした写真を集めることでイメージ同士の差異や、複数のイメージの集積から見えてくるものを探る。
また本展タイトルに冠された「トポフィリア」は、現象学的地理学研究者のイーフー・トゥアンの提唱する「環境と人間との情緒的なつながり」を表す概念として提示された言葉。「人間と環境の本質的な関係」を導き出す概念として、建築・都市計画・自然・環境論などの見地から欧米圏の研究者たちに多大な影響を与えた言葉だが、日本語では「場所愛」とも訳され、人々が場所に対して抱く、潜在的な意識の深さを表す言葉としても知られている。
本展では、小松が1997年より20年以上にわたって撮り続けている「ジャパニーズ・ハウス」を、個展形式で一挙に展示。本シリーズの東京での展示は、東京都写真美術館のグループ展「日本の新進作家 vol.2:幸福論—小松敏宏・蜷川実花・三田村光土里」(2003年)以来、実に17年振りとなる。