その他(図録・評論・雑誌掲載など)

氏名 小松 敏宏
氏名(カナ) コマツ トシヒロ
氏名(英語) KOMATSU Toshihiro

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名称

SHOOTING 展覧会情報掲載ー小松敏宏 個展「ミザナビーム|Mise en Abyme」が、KANA KAWANISHI PHOTOGRAPHYで開催される。

発表年月

202204

概要

紹介文
東京藝術大学大学院美術研究科修了後、マサチューセッツ工科大学(MIT)大学院建築学部を修了した小松敏宏は、アムステルダムやニューヨークでの滞在制作を経て、MoMA PS1やクイーンズ美術館での個展など精力的に活動。帰国後は、瀬戸内国際芸術祭(2013)や越後妻有アートトリエンナーレ(2012/2015)など国際芸術祭を中心に、サイトスペシフィック・インスタレーション、パビリオン(仮設建築)、写真表現など、事象の認識を更新させる視覚芸術を重ねてきました。
西麻布で2年振りの個展となる本展では、建築空間のレイヤーを打ち消す透視写真シリーズ〈CT〉の新作を発表いたします。フランス語で「底知れぬ深みに置くこと=入れ子状態に置くこと」という状態を意味するMise en Abyme(ミザナビーム)をタイトルに冠した本展は、欧州の建築空間をモチーフに制作されていた従来の作品から一転し、日本の建築物をモチーフにした新作で展示を構成いたします。
欄間の組み込まれた落ち着いた色調の木造建造物(京長屋や、皇室が滞在したこともある書院造りの旧家)や、廃校となった木造の小学校は、幾何学模様にレイヤーがくり抜かれたその奥の空間を、見通せるかのように感じられますが、よくよく観察すると、壁を取り払わずには得られないはずのパースペクティブが現れています。1900年代のNYで活躍をしたアーティスト、ゴードン・マッタ=クラークは、建造物の実空間にスリットを入れて景色を更新させましたが、ディスプレイ上のレイヤーを消去することに慣れた私たちの眼や脳は〈CT〉で小松の示す景色をすんなりと受け入れてしまいそうになり、記憶、視覚、空間認知など、人間の知覚の根幹に揺さぶりをかける表現であることが分かります。

https://shooting-mag.jp/news-report/10895/