小松敏宏個展「空間概念:透視2022.9.3」が、KANA KAWANISHI GALLERYで開催される。
開催概要
清澄白河で3年振りの個展となる本展は、建築空間のレイヤーを打ち消す透視写真シリーズ 〈CT〉を、ギャラリー空間を活用したサイトスペシフィック・インスタレーションとして発表する意欲的な内容となります。2023年9月3日から始まる本展覧会に足を運んだ鑑賞者は、ギャラリー内の壁をとおし、1年前の2022年9月3日のギャラリー外の様子をみる鑑賞体験へと誘われます。1900年代のNYで活躍をしたアーティストのゴードン・マッタ=クラークは、建造物の実空間に直接穴を穿ち景色を更新させましたが、写真技術を駆使する小松は、日々生活のなかで利用されている現役の建造物の壁を扱いながらも、その向こう側の景色を呼び起こします。
同時に発表する〈CT(ペインティング)〉シリーズでは、絵画作品の向こう側をみせることで、二次元と三次元空間が越境する表現を展開します。絵画とも写真とも呼びうる作品には、彫刻的概念もが内在し、1940年代末〜50年代にルチオ・フォンタナを中心に提唱された「空間主義(スパツィアリスモ)」を21世紀的に継承していると言えるかも知れません。
記憶、視覚、空間認知など、人間の知覚の根幹に揺さぶりをかける小松敏宏ですが、清澄白河のギャラリー空間を活用したサイトスペシフィックな本展では、さらに2022年と2023年という、世間が新型コロナウイルスに席巻される前後の1年間の時間をも扱います。
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