「世界観の植民地化と人類学―コンゴ民主共和国、ムブティ・ピグミーにおける創造神と死者」
『現代アフリカの社会変動―ことばと文化の動態観察』人文書院
pp.346-366
宮本正興・松田素二編
アフリカの伝統的な宗教や世界観が西洋によって歪曲されている事実を、著者の現地調査、宗教人類学の資料を用いて実証した。「コンゴ民主共和国のピグミー」における著者の現地調査の結果は、過去にヨーロッパ人によって行われたピグミーの宗教に関する調査結果と全く異なるものであった。この原因をヨーロッパ人研究者の誤った仮説にあることを示し、さらにその仮説を生み出した宗教的、思想的背景を明らかにした。さらに同様な誤りはアフリカにおける宗教人類学の古典的業績の中にも含まれていることを示唆した。