世礼国男と沖縄学の時代 −琉球古典の探究者たち−
森話社
世礼国男という人物の仕事をまとめている。世礼は、沖縄ではじめての近代的な詩集を刊行し、また、古典音楽の野村流に所属し、そこでは師匠の伊差川世瑞の歌声をオリジナルな楽譜で記録し、流派の広がりに貢献している。 他にも、『おもろさうし』を中心に、琉球の古典研究に去り組んだ、伊波普猷や、島袋全発、比嘉盛章、宮城真治といった「新おもろ学派」と呼ばれた人々、さらに、やはり『おもろさうし』の研究に大きな足跡を残した小野重朗の仕事について、その可能性を中心に取り上げる。