どちらの論考もいじめ防止対策推進法の制定をうけて、これをどのように活用するかという観点から書いたものである。
「地域に居場所・逃げ場をつくる」では、学校外の民間団体や公的機関におけるいじめ対応のあり方を論じた。
「いじめ防止と道徳教育・人権教育」では、これまで約30年近く、いじめ自殺等の重大事態が生じるたびに「道徳教育の充実」や「規範を教えること」を強調する取り組みが行われてきたが、今後の取り組みは別の方向性を模索する必要があるということ。
より具体的には、いじめ被害を受けた子どもがどのように関係者からの支援を受けられるか。あるいは、周囲の子どもがどのようなアクションを起こすことでいじめによる被害をうけた子どもを支えることができるか。
こうした子どもの人権相談・救済活動のノウハウと結びついた人権教育の取り組みの充実が必要と論じた。