編著者:中村文夫、共著者:住友剛、一木玲子、武波謙三、佐藤雄哉、池田賢市
「人間の安全保障」という観点から今後の公教育の在り方に関して考察した本書において、住友は第1章「いじめの重大事態対応を例に『学校の危機対応』を問い直す―『子どもたちの安全・安心の確保』の観点から―」を執筆。この章では、学校における子どもの権利保障の観点に立って、いじめの重大事態防止と発生時の対応について、考察した。また、この章では、従来の予防的・開発的な生徒指導を「子どもの安全・安心の確保」という観点から「平和構築」の取り組みと位置づけるとともに、いじめの重大事態などが発生したときなどの問題解決的な生徒指導には、被害にあった子どもの逃げ場所の確保など「難民支援」的な取り組みが必要であること。そのうえで、地方自治体および地方教育行政全体の施策で、子どもの権利基盤アプローチが必要であることを論じた。