「公教育における子どもの権利保障と学校の秩序維持」という観点から、この約30年近くの日本の生徒指導施策を、主にいじめ・不登校問題への対応を例として検討したもの。
特に本稿では①家庭の教育力強化や保幼小連携、②子どもの規範意識形成や集団づくり、体験活動の充実、懲戒・出席停止措置などの強化、③教育相談体制の整備や関係機関、精神科医やスクールカウンセラー、ソーシャルワーカーなど他職種との連携といった従来の生徒指導施策に加えて、④として、近年のフリースクールをめぐる動向(教育バウチャー制度の適用に関する議論など)を組み入れ、多様な学校形態・学習機会の整備も「学校の秩序維持のひとつ」と位置付けた。