大阪市の教育改革については最近、多方面からその問題点が指摘され始めている。本稿ではその状況をふまえて、大阪市の公教育(特に学校教育)の再建のためには誰が、何を行う必要があるのかについて考察を加えた。特に本稿では学校の教職員レベル(管理職含む)で考えるべきことに加えて、保護者や地域住民、首長や地方議会、教育委員会(事務局や特別顧問を含む)が考えるべきことなど、それぞれの「担い手」に応じて課題を整理した。また、現行の地方教育行政の制度上、首長や特別顧問が総合教育会議等を通じて教育施策に意向を表明したとしても、その首長の望む施策の失敗の後始末は教育委員会側が担うことになるという、制度的な問題点も指摘した。