2018 年より、京都精華大学人文学部では学部活性化を目的として学生と教員がともに、さまざまな活動を行うスチューデント・コモンズ Casa を立ち上げ、コモンズに関する実践研究を行ってきた。
1 年目の 2018 年度は清風館地下スペースを利用し、2 年目の 2019 年度は流渓館 R101(スチューデント・コモンズ)、R119(人文ライブラリー)を利用し、月例のイベントや半期に一度のイベント等を実施してきた。
2020 年度は、3 年目としてこれまでの活動を振り返り、総まとめとして活動を行った。当初の目的としては、2021 年度から始まる国際文化学部を見越して、(1)多様な学生の居場所作り、(2)多様な文化への理解の醸成の 2 点を掲げていたが、思いがけないコロナ禍によって活動は大幅に制限された。
年度当初はほぼ活動できない状態であったが、学生からの要望などを取り上げつつ、前期はオンライン、後期は感染対策に注意しながら対面も取り入れて活動を行った。
本稿では、これまで当たり前であった通学や人との接触が大きく制限される中で、Casa として何ができるのか、何が求められているのかを試行錯誤しながら進めた活動の内容を振り返り、分析しつつ紹介する。
2020 年度の教員体制は、2018 年度から活動を主導している田村・惠阪に加え、髙橋・久留島・吉永・南が参加し、ここに新任教員(阿毛・清水・藤枝・吉元・中岡)がオブザーバーとして加わり、活動を行った。