産まれながら持っている『生きる権利』を国軍は長年、ミャンマーで多くの人々から奪ってきた。2021年クーデターが史上初めてではないが、今回は映像や写真など動かぬ証拠があるため、なおさら人々に訴えかけるものがあった。一方で、経済活動も人間らしく生きるためには重要なファクターの一つである。ただ、経済活動を行う上で、重要な点である『倫理観』を忘れてはならない。日本政府および日本企業は日本国内において経済活動している限りにおいては、それほど『人権』を重要視しなくとも、大きな社会問題は起こさない。だが、この度のミャンマーのクーデター後、日本政府および日本企業の投資が国軍に流れる資金になっている事実が、国際的にも表面化してきた。今後、日本政府および日本企業は投資先を選定するときに考慮するファクターに『人権』がどのような位置付けになっていくのか、具体的な事例に基づいて批判的検討を行った。